表現論基礎・演習(2022年度)

2022年4月22日 17:00 作成

2022年9月4日11:54更新

2022年度前期の表現論基礎・演習では p 進簡約群の Bruhat-Tits の建物の構成,およびその表現論への応用を解説します.

目次

授業内容

4月

13日 線型代数群の復習

F線型代数群
  • アフィン F 多様体 (i.e., 幾何被約有限型アフィン F スキーム) とその射,積
  • F 線型代数群とその準同型,例,部分群,準同型の像と核,商群,リー代数と随伴表現
Borel部分群
  • 導来部分群と可解線型代数群
  • Borel 部分群と準分裂 F 線型代数群
  • 指標群,対角化可能代数群,乗法型代数群および,トーラス

20日 分裂簡約代数群のルートデータ

トーラスの続き
  • 分裂トーラス,トーラスの分裂成分
  • トーラスの最小分解体,指標の定義体
  • 余指標群
冪単線型代数群
  • 冪単線型代数群と冪単根基,簡約線型代数群
分裂簡約群
  • 分裂可解代数群と,分裂代数群
  • 分裂簡約代数群のルートデータ,その例
ルート系の復習
  • ルート系
  • 内積と2つのルートの幾何的関係

27日 ルート系の基本性質

ルートの弦
基底と正系
  • 壁,線型面分,ワイル室
  • ワイル群の作用とルート系の基底
  • 正系
Dynkin図形とルート系の分割
ワイル群の構造
  • 被約表示,長さ,逆転の集合

5月

11日 分裂簡約群の実現と構造定数

  • ワイル群の元のランク2ワイル群による分解
分裂簡約群の構造(続き)
  • (G,T)のボレル部分群と正系
  • Tで正規化される冪単部分群
  • 例:古典群のルート系の正系と基底
実現と構造定数
  • (G,T)の実現
  • 実現の構造定数

18日 出張のため休講

25日 構造定数の基本性質

構造定数の基本性質
  • d因子の性質,構造定数との関係
階数2の場合の構造定数
  • \mathrm{A}_{2}型のときの構造定数
  • \mathrm{B}_{2}型のときの構造定数

6月

1日 階数2の場合の構造定数

  • \mathrm{G}_{2}型のときの構造定数

8日 Weyl 群の代表系

  • 実現に付随するW(T)N_G(T)(F)での代表系

15日 Chevalley 系

Weyl 群の代表系 (続き)
  • W(T)の代表系と針留め (épinglage) の整合性
  • 1\rightarrow T \rightarrow N_G(T) \rightarrow W(T)\rightarrow 1 の2コサイクル
Chevalley 系
  • Chevalley 系の定義と存在
分裂簡約線型代数群についての補足
  • 導来群のルートデータ
  • 半単純線型代数群の概単純因子による概直積分解

22日 一般の簡約線型代数群の構造

分裂簡約線型代数群についての補足(続き)
  • 半単純線型代数群の単連結被覆とその存在
簡約線型代数群の構造
  • 放物型部分群と Levi 部分群,極小放物型部分群の共役定理
  • 有理ルートデータ,ルート部分群
  • 有理 Bruhat 分解
Chevalley-Steinberg 系
  • ルート系へのガロア作用

29日 Chevalley-Steinberg 系

Chevalley-Steinberg 系
  • Weyl 群のガロア不変部分の記述 (Steinberg)
  • Steinberg 針留め
  • Chevalley-Steinberg 系とその存在

7月

6日 非アルキメデス局所体

  • 非アルキメデス局所体とそのモジュラス,付値,整数環
  • Hensel の補題
  • 非アルキメデス局所体の拡大,特に不分岐拡大

13日 Chevalley-Steinberg の付値

Chevalley-Steinberg の付値
  • 準分裂簡約線型代数群
  • ルート部分群の分類
  • Chevalley-Steinberg の付値
Tits データ
  • \boldsymbol{G} のルート系 R 型の Tits データ (\boldsymbol{M},(\boldsymbol{U}_{\alpha},\boldsymbol{M}n_{\alpha})_{\alpha\in R})
  • Tits データの基本性質
  • 例:簡約線型代数群の Tits データ (M_{0}(F),(U_{(\alpha)}(F),M_{0}(F)\dot{r}_{\alpha})_{\alpha\in \Sigma_{0}})

20日 付値付き Tits データ

Tits データ(続き)
  • 冪零群についての補題
  • 部分群 \boldsymbol{U}(C)\subset \boldsymbol{G} (C は Weyl 室)
  • 階数 2 の Tits データの構造
  • Tits データと Tits 系の関係
Tits データ上の付値
  • Tits データ上の付値 v=(v_{\alpha})_{\alpha\in R},離散付値,互いに等値な付値
  • 付値 v=(v_{\alpha})_{\alpha\in R} の値域 \Lambda_{v_{\alpha}}\subset\mathbb{R}, (\alpha\in R)
アパート
  • 付値の等値類 \mathfrak{A} への $\boldsymbol{N}$ 作用 \nu,
  • 付値付き Tits データ (\boldsymbol{M},(\boldsymbol{U}_{\alpha})_{\alpha\in R},v) のアパート (\mathfrak{A},\nu)
  • 部分集合 \Lambda'_{v_{\alpha}}\subset \Lambda_{v_{\alpha}}, (\alpha\in R)

27日 付値で定まる部分群

  • アフィンルート系 R_{\mathrm{aff}}(\mathfrak{A}), 半アパート,壁,枠囲み
  • アフィンワイル群 W_{\mathrm{aff}}(\mathfrak{A})
  • アパートの面分とアフィンワイル室,格別点
  • {}^{\alpha}\boldsymbol{G} の部分群(1) 凹なとき
  • {}^{\alpha}\boldsymbol{G} の部分群(2) 平なとき
  • 交換子の付値の評価

講義ノート

講義ノートに学期終了後に加筆したものを置いています.