微分積分学・同演習II (2016)

2016-08-19 (金) 12:11 作成

2016-10-04 (火) 7:56 更新

授業の日時、場所

  • 月曜日3時限目,金曜日1時限目
  • 伊都キャンパス全学講義棟2201号室

教科書

この授業は次の教科書に沿って進めます。特に演習は教科書中の演習問題を中心に行います。

微分積分学講義
野村隆昭 著
共立出版

授業の進め方、演習について

  1. 毎回授業の最初に演習をします。
    1. 前回の授業のときにそれぞれの演習問題の解答者を指名しておきます。指名された人は授業時間が始まるまでに黒板に解答を書いておいてください。教科書の巻末にある解答を写すのではなく、自分の理解を反映して自身の言葉で書いてください。それが自分のためにもクラスメートのためにも大切です。
    2. 黒板の解答に沿って、理解すべき点や解答で書くべきことを私が説明します。なるべくきちんとした解答が黒板に残るように朱筆を加えますが、説明の方もよく聞いてください。
    3. なお、再履修の方は学期半ばまで履修者名簿に名前がないため、こちらから指名するのは難しいかもしれません。積極的に自分から名乗り出て演習を解くようにしてください。
  2. 続いて講義を行います。講義では
    1. 基本的な概念 (定義) の説明。
    2. それらの概念の満たす性質 (命題、定理など)。
    3. それらの性質を使って計算する方法 (例題) の解説。

    についてお話しします。ときどき命題や定理の証明もしますが、それは内容をよりよく理解して使えるようになってもらうためで、証明を覚える必要は特にありません。

  3. 最後に次回の演習の解答者を決めます。基本的にはこちらで指名します。演習では主に教科書の問や章末問題を解いてもらいます。
  4. いうまでもなく数学は自分で考えて練習問題を解くことで理解していく科目です。毎回の練習問題は解答者だけでなく履修者全員の宿題です。1時間やそこらで解ける量ですから、必ず授業があったその日のうちに解いて、習った内容を理解しておきましょう。一人では解けないときには皆で相談し、助け合って問題を解くことも大切な演習の目的です。

授業予定

10月

  • 3日 \mathbb{R}^n の距離,連続関数
    • \mathbb{R}^{n}=\{(x_{1},\dots,x_{n})\mid x_{i}\in\mathbb{R}\}内積
      \boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{y}:=\sum_{i=1}^{n}\,x_{i}y_{i}\in\mathbb{R}
      ノルム \|\boldsymbol{x}\|:=\sqrt{\boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{x}}=\sqrt{\sum_{i=1}^{n}\,x_{i}^{2}}\geqq0

      • \boldsymbol{x}\bot \boldsymbol{y} \Leftrightarrow \boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{y}=0.
      • Pythagorasの定理\boldsymbol{x}\bot \boldsymbol{y}\in\mathbb{R}^{n} のとき,\|\boldsymbol{x}+\boldsymbol{y}\|^{2}=\|\boldsymbol{x}\|^{2}+\|\boldsymbol{y}\|^{2}.
      • Cauchy-Schwarzの不等式 (補題6.3): |\boldsymbol{x}\cdot\boldsymbol{y}|\leqq \|\boldsymbol{x}\|\|\boldsymbol{y}\|
      • 命題6.2: \|\ \| はノルムの公理を満たす.特に三角不等式が大事.
    • \mathbb{R}^n の位相
      • 部分集合 S\subset\mathbb{R}^{n}内点外点境界点,境界点の集合 \partial S閉包 \bar{S}=S\cup \partial S
      • \mathbb{R}^nおよび閉部分集合
      • S\subset\mathbb{R}^{n} 内の曲線 C: [0,1]\ni t\mapsto \boldsymbol{p}(t)\in S
      • S連結とは,\forall \boldsymbol{x}, \boldsymbol{y}\in S,
        \exists C:[0,1]\ni t\mapsto\boldsymbol{p}(t)\in S ; 曲線 s.t. \boldsymbol{p}(0)=\boldsymbol{x},
        \boldsymbol{p}(1)=\boldsymbol{y} となること.
    • 関数 f:S\rightarrow\mathbb{R}\boldsymbol{a}\in\bar{S}\alpha\in \mathbb{R} に収束: \displaystyle \lim_{\boldsymbol{x}\to\boldsymbol{a}}\,f(\boldsymbol{x})=\alpha
      \Longleftrightarrow
      \forall\varepsilon>0, \exists\delta>0 s.t. |f(\boldsymbol{x})-\alpha|<\varepsilon, (\forall\boldsymbol{x}\in S, |\boldsymbol{x}-\boldsymbol{a}|<\delta).
    • 演習問題
  • 7日 偏微分と全微分
  • 10日 体育の日
  • 11日 (10日の振替日) Jacobi 行列と連鎖律
  • 14日 2変数関数の Taylor の定理
  • 17日 二次形式と2変数関数の極値
  • 21日 陰関数の定理
  • 24日 条件付き極値問題
  • 28日 補足など
  • 31日 重積分

11月

  • 4日 中間テスト
  • 7日 重積分と累次積分
  • 11日 極限の順序交換
  • 14日 重積分の変数変換
  • 18日 九大祭のため休講
  • 21日 九大祭のため休講
  • 25日 広義重積分
  • 28日 演習と復習

12月

  • 2日 期末テスト

成績評価について

成績は中間、期末テストの結果および演習の発表を総合的に評価して行います。